いつもグラッシーデザインのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
代表のナイトウです。
さて、今回は「デザイナー採用でのポートフォリオ選考」のことについて書こうかと思います。
弊社で毎年開催しているブランディング・インターンシップに参加した大学生から「デザイナー採用のポートフォリオ選考ではどんなところを見るのですか?」的な質問がありました。
Xの実際の投稿
以前インターンに参加した大学生から、デザイナー採用のポートフォリオ選考ではどんなところを見るのですか?的な質問があった。「俺なら」という前提で、基本その人のアートに興味は全くないという話をした。見たいのは現場で即戦力となる力があるかどうか。だからよくポートフォリオでは自分がやりた…
— ナイトウシュウイチ / glassydesign (@glassydesign) December 19, 2023
「僕なら」という前提でお話しをさせていただいたのですが、その内容の一部を僕のX(旧ツイッター)やスレッズに投稿したところ、思ったより多くの方に反応、そして共感をいただけたのでもう少し詳しいところを書きたいなと思います。
グラッシーデザインでは、採用募集やインターンシップを随時受け入れていますが、やはりデザイナーを志望し応募してくる方が多いです。
少し話が外れますが、今でこそ芸工大や美大、専門学校でデザインや企画など何らかのクリエイティブの基礎を学んだ学生、卒業はしたものの全く別の仕事に就き、しばらく経って夢諦められずに弊社の採用募集に応募したという方がほとんどです。
しかし、フリーランスでデザイナーになって、2017年にブランディングの重要さに気づき本格的に事業に乗り出すぞという時に初めてグラッシーデザインとして採用をスタートさせるのですが、当時は今とは全く異なり応募してくる人たちの経歴はもちろん応募動機はバラバラ、求める人材とは遠いものでした。
あえて厳しめな言葉で言わせていただくと「応募者の質」がまるで今とは違い、グラッシーデザインつまり僕が求めている人物像とはかけ離れていました。
ただそれもそのはずです。
当時はただホームページに仕事内容、勤務時間、休日、待遇を載せただけの、熱意も何も感じない、いわゆる募集要項がわかるだけのページでした。
今のように理念となる事業の目的やビジョン、大切にしている価値観など、僕が求める人なら「きっと刺さる」「ワクワクする」言葉が何一つ伝えられてはいなかったと振り返ると思えます。
よく経営者や人事担当の方で、応募はあるけど皆んな「やる気を感じない」とか「向上心が足らない」とか色々言っていたりしますが、マッチしない、あるいは求めていない人が集まってしまうのには必ず理由があって、実は応募してる企業側の採用に原因があったというのが大半な気がしています。
弊社は自社のブランディングを2018年から本格的に開始し、3年で採用面でも結果が出せました。
その理由やそれまでにどうのような事をやったのか?については、また別の記事で書きたいと思います。
話を戻します。
デザイナー採用でのポートフォリオ選考でどこを見ているか?という質問について、これは選考を受けるデザイン事務所なり制作会社などで、選考基準はあると思うし様々であるという事と、先にも言った通り「僕なら」という前提でお話ししたいと思います。
僕がデザイナー選考のポートフォリオを見る際、「基本その人のアートに興味は全くない」という事です。
僕が見たいのは、現場で即戦力となる力があるかどうか。
その中には、ポートフォリオだけじゃなく気質や性格などと言った人間性の部分も多く含まれます。
もちろんこの限られた時間で全てを見ることは不可能ですから、弊社では出来る限りお互いにとって「こんなはずじゃ無かった」とならない様、選考フローに段階を設けています。
中でも、デザイナー志望の方に書類選考で送っていただくポートフォリオは重要な選考要素のひとつ。
これまでも沢山の方のポートフォリオを拝見しましたが皆さん個性的ですし、自分を売り込むために必死に色々な作品や事例を詰め込んできます。
だから当然、ポートフォリオでは自分がやりたいオリジナルデザインをとにかくアピールしがちなんです。
しかし、採用側としての本音は、まずその人の感性やセンスより、現場に出た時にディレクターの指示をしっかり再現できるかという力を見たいし、何よりその精度を見たいんです。ですから、ポートフォリオではオリジナルデザインも良いですが、それよりも、世に出ているバナー広告でもリーフレットでも何でもいいので、異なるカテゴリーでトレースしたデザインを見本つきで持って来てくれた方が断然参考になりますし、さらにはデザイナーとしての基礎能力もここである程度見ることができるのです。
- ポートフォリオでは基本その人のアートに興味はない
- 何より見たいのは現場で即戦力となる力
- バナーや広告などをトレースしたものが参考になる
ただ誤解の無いように付け加えると、
デザインに感性やアートは必要ないと言っているわけでは全くないです。
これも僕がよく言っていることなのですが、デザインする上で、揃えるところをしっかり揃えたり、余白の取り方を忠実に再現したりと、こういった細部にまで気を配れないような人の感性だセンスだ、それこそアートだなんてものは、たかが知れてるんじゃないかと思っています。
やはり、細かいようですが、こういう「誰も気づかないよ」ってところにこそ手を抜かずにこだわれる人は、オリジナルであっても本当に素晴らしいものつくるんです。
おそらくこれを今読んでいる人は、どんなタイミングであれ、近いうちにデザインの仕事で選考を控えてる人なんだと思います。
何度も言いますが、ここで書いてることは全て「僕なら」という前提のお話です。
それでも、しっかりと耳を傾け、自身のポートフォリオ作成について考え、参考にできる人はきっと大丈夫です。
これから、クリエイティブ業界だけでなく、当たり前だとされていた色々なことが、ものすごい速度で変わっていく時代に入ります。
コロナ前、そしてコロナ後の今を誰一人予想できた人がいないように、これから数年後の未来もまた、誰にも予想できないでしょう。
間違いなく、これからもっともっと人が人としての本領を発揮できる仕事だけが残っていきます。
デザイナーもその本質が問われる時代です。
最後に一つ、飲食業から独学でデザイナーに転身し会社までつくった僕からアドバイスです。
大学や学校で学んだ知識、これまでの経験をどう活かすか?という事に決して囚われないでください。
大事なことは、その知識や経験で「自分をそう活かすのか?」に全集中してください。
応援しています。