いつもグラッシーデザインのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
代表のナイトウです。
前回の記事では「採用は募集の前から始まっている」という話をしました。
「あ、そういえばあの会社、前から気になってたな」
「以前からSNSを見ていた会社があったな」
このように転職を考えたその瞬間に、思い出してもらえること。
実は採用だけに限らず、この「思い出してもらえる状態」こそ、ブランディングを考えるうえでとても重要なポイントになります。
これを「第一想起」と言います。
今回の記事では、この第一想起とは何なのか。
そして、この第一想起をつくるために必要なブランディングの役割とは何か。
ここについて、僕らグラッシーデザインの考え方をお話ししたいと思います。
ぜひ最後まで読んでいただけたらとても嬉しいです。
第一想起とは、商品やサービスについて考えるときに、最初に思い浮かぶブランドや企業のことです。
たとえば、「コーヒーを飲みに行くなら?」「家具を買うなら?」そんな質問をされたとき、頭の中にいくつかの会社やブランドが浮かぶと思います。その中でも最初に名前が思い浮かぶ、これが第一想起です。
ここで重要なのは、「知っている」と「思い出す」は違うということです。
会社名を見せれば「ああ、知ってる」となる企業はたくさんあります。
でも、何もヒントを与えられていない状態で、
「○○なら、あの会社」
と自分から思い出せる企業は、それほど多くありません。
そして実際に何かを選ぶ場面では、この「思い出せる企業」の中から比較が始まります。
どれだけ良い商品を持っていても。どれだけ素晴らしい会社であっても。必要になった瞬間に思い出してもらえなければ、そもそも選択肢に入ることができません。
だからこそ、この第一想起をつくることがブランディングにおけるひとつのファーストゴールだと僕らは考えています。逆に考えれば、第一想起されない状態では、その後の比較も、検討も、選択も始まりません。
だからこそ、まずは「必要になったときに思い出してもらえる存在になる」ということが重要なのです。
ブランディングについて検索してみると、今でもよく目に入ってくるのは「ロゴを変える」「ブランドカラーを決める」「ホームページやパンフレットのデザインを統一する」といった話です。
もちろん、これらは重要です。
ロゴや色、書体、媒体などを一定のルールで設計することで、「あ、この会社だ」と識別してもらいやすくなります。ただ、それだけで第一想起をつくれるかというと、そう単純なことではありません。
声を大にして言いたいのはビジュアルコントロールだけでブランドはつくれません。
ロゴデザインからブランドカラー、ホームページ、名刺や封筒まで、すべて同じ世界観で綺麗に統一されている。しかし問合せをしたら対応がとても悪かった。採用サイトには「人を大切にする会社」と書いてあるのに、面接に行ったら全くそんな雰囲気ではなかった。広告では品質の高さを伝えているのに、実際の商品やサービスは期待以下だった。そんな体験をしたことはありませんか?
見せているもの伝えていることと実際の体験にズレがあるほど、不信感につながります。
つまり、ブランディングで本当に整えていかなければならないのは、「見た目」ではなく「認識」なのです。
これは、グラッシーデザインがブランディングを考える上で、とても大切にしている部分です。
ブランディングというと、「どう見せるか」「どう格好良く見せるか」「どう他社より良く見せるか」といった“見え方”の話に必ずなりがちですが本質ではないと考えています。
大切なのは、どう見えるかではなく、どう伝わるか。そして、相手にどう認識されるかです。
企業側がどれだけ「こう見せたい」と思っていても、相手に違う形で伝わってしまえば意味がありません。
反対に、伝えるべき価値や考え方が整理され、それが適切な形で相手に伝われば、「この会社はこういう会社なんだ」という正しい認識が少しずつ形成されていきます。
ブランディングとは、見え方を整えることではなく、伝わり方を最適化していくこと
そのためには、ただデザインを整え揃えるだけでは足りません。
「何を大切にしどんな価値を提供するのか」「どんな存在として認識されたいのか」という概念を明確にする必要があります。その概念を軸に、言葉、デザイン、商品、サービス、社員の振る舞い、顧客との接点、あらゆる場面で伝わり方を整えていくこと。それがブランディングです。
では、その「伝わり方」をどう設計していくのか。
グラッシーデザインでは、ブランドづくりを考えるとき「概念」と「3つの提供価値」を重要視しています。
まず必要なのが、ブランドの軸となる「概念」です。
何を大切にしている会社なのか。何を約束するブランドなのか。どんな価値を届ける存在なのか。
こうしたブランドの概念に一貫性を持たせ、さまざまな接点を通じてアウトプットしていく。
その際に重要になるのが、「情報」「体験」「品質」この3つです。
今、企業が世の中に情報を届ける手段はたくさんあります。ホームページをはじめ、各種SNS、広告、動画、オウンドメディア、採用サイトなど、その選択肢は年々増え続けています。
ブランディングにおいて大切なのは、ただ会社の情報を発信することではありません。
「この会社、なんか気になるな」
「この考え方、いいな」
「この会社の発信は参考になるな」
そんな小さな興味や共感を生み出し、相手との関係が始まるきっかけをつくること。
私たちは、それを「情報価値」と考えています。
次に、その会社と実際に関わったときに生まれる価値です。
問合せへの返信、電話対応、日々の振る舞い、接客、プレゼンテーション、商談、会社説明会、インターンシップなど。こうした一つひとつの接点も全て、ブランドをつくる要素です。
情報発信でどれだけ素晴らしいことを伝えていても、実際に接した社員の対応や体験がそこから大きくズレていれば、「思っていた会社と違う」という差異が生まれてしまいます。
逆に、小さな気遣いや丁寧な対応によって、「やっぱりこの会社は気持ちのいい会社」と、それまで持っていた認識がより強くなることもあります。
つまり、企業が掲げている価値を、実際の接点を通じて感じてもらうこと。
そのために重要な役割を担うのが「体験価値」です。
そして最後は、商品やサービスそのものが持つ価値です。
この品質価値については、直接的に利益にもつながるため、多くの企業が日頃から当たり前のように磨き続けています。商品をより良くする、サービスの精度を高める、技術を磨く、品質を高めること自体は、企業活動において当然重要です。
一方で、品質に自信がある企業ほど、「良いものをつくっていれば、いつか伝わる」という考えに陥りやすいとも感じています。どれだけ良い商品やサービスを持っていても、その価値が伝わっていなければゼロと変わりません。また、問合せや商談などの体験に違和感があれば、その品質に触れてもらうところまで辿り着けないこともあります。だからこそ、品質価値だけに頼るのではなく、情報価値と体験価値を含めた3つの価値を整えていくことが重要です。
品質は高いのに、なかなかブランド化につながらない。
その背景には、情報価値や体験価値の提供が十分に設計されていないことも少なくありません。
グラッシーデザインは、情報価値・体験価値・品質価値、この3つをブランドをつくるために欠かせない「3つの提供価値」としています。
第一想起をつくるために、短期間で何か一発逆転できるようなそんな便利な方法があるわけではありません。
まず「何の会社として思い出されたいのか」を決め、そのためのブランドの概念を整理し、その概念を日々のアウトプットで伝え、商品やサービスによって得られるお客様の体験に差異がないようにする。そして、それを繰り返す。結局は、この積み重ねです。
前回の記事で、当社の採用応募者から、「数年前からInstagramを見ていました」「前から気になっていました」という声があることを紹介しました。応募しようと思ったその日に、初めてグラッシーデザインを知ったわけではありません。その何年も前から、小さな情報や体験が積み重なり、「グラッシーデザインってこういう会社だよね」という認識が少しずつ形成されていた。そして転職や就職というタイミングが訪れたとき、「あの会社」と思い出してもらった。これこそが、第一想起です。だからこそ採用でも集客でも、必要になった瞬間にプロモーションするのでは遅いのです。
必要になる前から、どんな価値を届け、どんな認識を積み重ねてきたのか。そこが問われているのです。
ブランディングというと、どうしても綺麗に統一されたデザイン、広告など「目に見えるもの」に意識が向きがちです。
しかし「ブランド」とは、デザインそのものではありません。
日々届けている情報、人との関わり方や体験、商品やサービスの品質、そうした一つひとつを通じて相手の中に、「この会社はこういう会社だ」という認識がつくられていきます。
その認識が積み重なることで信用となり、「○○なら、あの会社」と自然に名前が浮かぶようになる。
これが第一想起です。
見え方を整えることではなく、伝わり方を最適化すること。この積み重ねは、単に“良いイメージ”をつくるためのものではありません。企業を取り巻く環境は、これからも変わり続けます。そんな変化の中でも簡単に揺らがないブランドを支えるのは、流行に合わせてつくられた見え方ではなく、これまで積み重ねてきた認識と信用の基盤です。
「企業が発信していることと、実際の対応が違う」「掲げている理念と、社員の振る舞いが違う」「広告で伝えている価値と、商品やサービスの品質が違う」など、そうした小さなズレは、SNSや口コミなどを通じて共有され、これまで築いてきた社会的な信用そのものを毀損することにもつながります。
だからこそ、情報価値・体験価値・品質価値を一つひとつ積み重ねることは、企業が長く選ばれ続けるための経営基盤のひとつだと僕は考えています。
ブランド概念を統一し、最適化されたアウトプットで伝わり方から構築する。それこそが、変化する時代にも耐えうる強いブランドをつくる、ブランディングの役割だと僕らは考えています。
この記事を読んで、「うちの会社は、何の会社として思い出されているだろう」そんなことを少しでも考えるきっかけになれば嬉しいです。自社の価値や強みは、日々その中にいる自分たちほど、意外と見えにくいものでもあります。
グラッシーデザインでは、企業の中にすでにある価値を一緒に整理し、それをどう伝え、どう認識してもらうのかというところからブランドづくりをお手伝いしています。
「何から手をつければいいかわからない」という段階でも大丈夫です。お気軽にご相談いただけたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。