いつもグラッシーデザインのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
代表のナイトウです。
今回はブランディングにおいても関連性の深い「差別化」について書こうと思います。
どんな事業においても必ずと言っていいほどついてまわるのがこの「差別化」ですし、いちばん聞き慣れたビジネス戦略じゃないかなと思います。もちろん、グラッシーデザインに寄せられるご相談の中にも「差別化できていない」という課題を抱えるお客様は多くいらっしゃいます。
それほど「差別化」に対する意識と期待値が高いことがわかります。
皆さんはいかがですか?
上手くいってるよという方、ちょっと不安かもという方、なかなか上手くいかないよという方、全く意識していないという方、様々だと思いますが、これまで当たり前だと思っていたことでも視点の角度や考え方、捉え方ひとつで、より「差別化」を戦略的にそして効率的に機能させることが可能になるんです。
そもそも「差別化」とは、どんなものでしょうか?
検索するだけでも色々と出てきますが、言ってることの本質はどこも同じです。
「同じ種類のもの同士に明確な区別(優劣の差)をつける」
つまりは競合となる他社とは異なる、より優れた独自性を確立すること。
「差別化」がいちばん聞き慣れたビジネス戦略なのは、やはりこのわかりやすさにあるのかなと思います。
ただそれだけに、間違った捉え方で「差別化」を認識しているという方も実は多くいるなとも感じます。
ビジネスに正解不正解はありませんので「間違った」というのは決めつけかもしれませんね。
言い方を変えましょう。
要はこうです。
「差別化」を行なっている、あるいは意識しているという方で、思うような結果が出ないという方のほとんどが「共通した捉え方、方法で差別化を認識している」ということなんです。
ここでブランディングを例に説明します。
グラッシーデザインでは、企業でも採用でもSNSでもブランディング戦略を立てる際、必ず「目的」の明確化から始めます。何故するのか?(WHY)、つまり「何のために」の部分をしっかり言語化、整理を行い、定義します。そして「戦略」となる、どうやって実現するのか?(HOW)を考えたのち、「手段」何をするのか?(WHAT)という順に進めていくのですが、やはりこの順で考えるのがいちばん効率的ですし、何より軸がブレませんので、強いメッセージ性を持ったブランドづくりの基礎が定義できます。
これにはちゃんと理由があります。
多くは目の前にある「手段」から決めがちで、ロゴを新しくするとか、ホームページをリニューアルするとか、ユニフォームをカッコ良くするとか、どうしても手段が目的化してしまうケースが大半です。しかし、手段が目的化して進めたブランディングは大抵失敗に終わってしまいます。
その理由は明確で、人の心が動くきっかけを生み出すのは「見え方」ではなく「伝わり方」にあるからです。
これは「差別化」においても同じです。
思うような結果が出ないという方のほとんどが、やはり「手段」が目的化してることにあります。
あともうひとつ、結果が出ない理由には共通点があります。
それは「顧客主体」ではなく「競合主体」となっているという点です。
具体的な例を使ってお話ししましょう。
いちばんわかりやすいのは値です。値とは、価格や数量のことですね。
競合が5,000円で売り出してるから、うちは4,900円で売り出そう。
競合が10%値引きしてるから、うちは20%値引きしよう。
競合が2,000円分の特典をつけてるから、うちは5,000円分の特典をつけよう。
こうなるのは当然です。
確かに、明確な区別であり差をつけるという意味で「差別化」であることは間違いありませんし、これで成果が出ているなら何も問題はないでしょう。しかし、実際のところはどうでしょうか?
皆さんが事業において理想としているのは、優良顧客とのマッチングであり長期的で安定的な受注なのではないでしょうか?
「いやいや、売れてなんぼ」「綺麗事など言ってられない」
そうおっしゃる方もいるかもしれませんが、イタチごっこのような状態をずっと続けていきたいと思っている人はどれほどいるでしょうか?皆さん抜け出したいと思っているし、このままじゃ駄目だということもわかっているはずです。
このような出口の見えない価格競争では、何よりそこで働く社員がいちばん疲弊します。
採用競争はこれから益々激化していくだろうという今、人材確保にも大きな影響を及ぼすことは明白です。
では、どのような「差別化」が求められるのでしょうか?
それにはまず、今の「競合主体」から「顧客主体」に変わることです。
言っても競争社会、競合を意識するのは仕方のないことですが、意識すれば必ず「競合主体」になっていきます。それなら、思い切って「競合はもう一切見ない」と割り切った方がまだ良い結果につながるでしょう。それくらい、多くが「競合しか見えない」状態に陥ってしまっているのです。
それでもまだ「競合が競合が」と抜け出すことができないということであれば、さっさと競合しない事業へシフトするべきです。
それくらい「差別化」で結果を出すということは、そんな簡単なことではないのです。
人間を相手にしているわけですから、当然です。心理の話です。
だからこそ「競合主体」で打ち出す差別化と比べて「顧客主体」で打ち出す差別化というのは、とても難しいことです。
これまでは競合の仕掛けや打ち出しに対して、差をつけていればよかった。
わかりやすく例えると「競合が赤なら青に」「競合が右なら左へ」のようなことです。
しかし、今度は顧客が主体となると先に述べた通り心理の話になりますから、簡単にのぞくことはできませんからそうは行きません。
確認しようと思ったらそれは大変です。
もちろん心の中はのぞけませんから、直接お客様ひとりひとりに話を聞いて歩いたり、コツコツアンケートを集めたり、専門業者に依頼しニーズについての市場調査を行ったりと、時間だけじゃなく労力やお金もかかることになります。
厳しい言い方をすれば、競合主体の方がみんな楽なんです。
僕らが考える「差別化」とは、ブランディングと同様に「日々の積み重ね」にあると考えています。
日々の積み重ねとは、どういうことか?
それは、お客様の声に耳をかたむけ、ニーズを理解し、「どうしたら喜んでくれるか?」「どうしたら役に立てるか?」をひたすら本気で考えること。
①何のために?(目的)
②どうやって?(戦略)
③何をするのか?(手段)
「差別化」となると、意識的に競合ばかりを見てしまい差をつけようつけようと考えがちです。
そうではなく、顧客に意識を向け、BtoBなら「どうしたら取引先として選んでもらえるだろう?」をひたすら考えることですし、BtoCなら「どうしたら購入したいと思うだろう?」をひたすら考えること。そして、日々そのための検証を繰り返すということ。すべては泥臭いことの継続です。
そうした中で、積み重ねられ得た信用値や関係性こそが「差別化」になるのです。
だからこそ、誰も決して真似をすることのできない「強い独自性」が確立されるのです。
日々、企業努力により積み上げられた結果だと僕らは考えています。
- 競合主体ではなく顧客主体
- 手段の前に目的が大切
- 差別化とは日々積み重ねの結果
いかがでしたでしょうか?
普段、当たり前のように使っていた「差別化」という言葉も、見方、捉え方ひとつで打ち出し方が変わってきます。今回お話ししたのはあくまでブランディングを仕事にしている僕なりの考え方です。
先にも述べたように、ビジネスに正解も不正解もありませんので、これまで通りの「差別化」を続けていくのも良いと思います。ただこの先、立ち止まる機会や何か上手くいかないなという時、思い出していただき考えるきっかけになれば幸いです。
グラッシーデザインでは、企業、採用、SNSのブランディングをはじめ、差別化戦略についてのサポートも行なっております。メールフォーム、公式LINE、各種SNSからご相談が可能です。お気軽にお問合せください。
ではまた。